靴メーカーに勤めながら、手作りのチロリアンシューズに挑んだYさんの作品が完成しました。
仕事でも靴に向き合い、教室でも靴を作る。
そんな靴一筋の日々が、この一足にぎゅっと詰まっています。

靴のプロが、手を動かして知ったこと
知識があるからこそ、細部へのこだわりは人一倍です。
でも、実際に作ってみると、知っていることと、できることは違う。
その発見の積み重ねが、Yさんをさらに靴の世界へと引き込んでいきました。
靴の仕事をしていても、作ったことのないものもある
靴メーカーで働くYさんにとって、靴は毎日そばにあるものです。
でも「自分の手で一から作る」という経験は、また別の話。
奥様も靴づくりの経験をお持ちで、そんな環境の中でご自身も靴作りに励んでいます。
無口なほうですが、作業の合間にふと見せる表情が、楽しんでいることを教えてくれます。
自宅にパターンを持ち帰り、復習を重ねる。
その姿勢が、すでに職人のそれです。
左右非対称のモカと、オリーブ色の革が語るもの
今回選んだのは、教室でも人気の高いオリーブカラーの栃木レザー。
グリーン系の色がお好きなYさんらしい、落ち着いた選択です。
チロリアンシューズの特徴であるモカのラインは、ご自身の木型に合わせて左右非対称に設計しました。
市販の靴ではなかなか出会えない、自分の足のためだけのシルエットです。
型紙づくりでは、縫い合わせるパーツごとに穴の数を揃える作業に根気を要しました。
地道な工程の一つひとつが、完成した靴の美しさを支えています。
ハプニングさえも、糧にしてしまう人
モカのテープを手縫いする場面では、糸がなかなか通らず苦戦しました。そ
れでも仕上がりは、見事なまでに美しい。
底付けの工程では、靴の高さの関係で急きょ踵のパーツを追加することに。
なぜそうなるのかを確認し、素材を加工して、自ら問題を解決しました。
靴の構造への理解もまた、一段深まった瞬間です。
小さなハプニングを乗り越えて完成させる。
それが手作りの、一番の醍醐味ではないでしょうか。








完成おめでとうございます!
Yさん、完成おめでとうございます!靴のプロとして培った目線と、作り手としての手応えが重なった一足。
ハプニングも含めて、すべてが糧になっているYさんの姿が印象的でした。
次の作品も、楽しみにしています。