ももはら靴工房には、パンプスやサンダルといった女性らしい靴作りを経験してきた生徒さんも多くいらっしゃいます。
今回ご紹介するのは、そんな中で初めて紳士靴風のデザインに挑戦された生徒さんの一足。
柔らかい黒革を使用し、「ハンドソーンウェルテッド製法」という本格的な技術にもチャレンジしました。
たくさんの靴を参考にしながら丁寧に作り上げた、こだわりのダービーシューズです。

初挑戦の製法とデザインで仕上げた、落ち着きあるダービーシューズ
この靴は、CONCERIA800社のVACCHETTA 800という上質な黒革を使用し、クラシックなダービーシューズに仕立てられました。
柔らかく足馴染みのよい革は、履くほどに表情を変えてくれる楽しみもあります。
特に今回は、初めてのハンドソーンウェルテッド製法に挑戦された点が大きなチャレンジでした。
手間と時間がかかる分、完成したときの喜びもひとしお。
また、女性らしい靴とは異なる構造や作業の流れにも丁寧に向き合い、ひとつひとつを楽しみながら完成させた姿が印象的でした。
はじめての紳士靴風デザイン。じっくり考えたデザイン
今回制作されたのは、靴づくり初心者にも取り組みやすい「ダービーシューズ」。
しかしながら、ただの定番では終わりません。
これまでにパンプスやサンダルといった柔らかいデザインを作ってきたKさんにとって、紳士靴はまったく新しいジャンル。
そのため、複数の靴の資料や実物を参考にしながら、どんな形にしたいかをじっくりと考えてからデザインを決めていきました。
フォーマルになりすぎず、かといってラフにならない絶妙なバランスの一足です。
柔らかい黒革を使用。履き心地と質感にこだわりました
選んだ革は、CONCERIA800社製の「VACCHETTA 800」というイタリアンレザー。
しっとりとした質感とほどよい柔らかさが魅力です。
そのため黒一色ですが、質感に奥行きがあり、存在感のある仕上がりです。
さらに、柔らかくなじみやすいこの革は、足あたりも優しく快適です。
一方で、しっかりと形を保ってくれるため、紳士靴にもぴったり。
ハンドソーンウェルテッド製法の重厚感と、革のしなやかさが融合し、履くたびに表情が変わっていく、そんな一足になりました。
細部まで集中力を。製法の違いを楽しみながらの完成
ハンドソーンウェルテッド製法は、手作業で底を縫い付ける伝統技法です。
そのため、時間もかかりますが、完成度の高さに大きく貢献します。
Kさんにとって、この製法は初めてのチャレンジでした。
しかし、丁寧な作業を積み重ねることで、見事にやり遂げました。
特に踵部のグラインダー仕上げでは、細部まで神経を集中。
パンプスとは違う製作工程を、前向きに楽しんでいただけました。








ダービーシューズの完成おめでとうございます!
夫人靴の工程と随分と違いますね。
と一つ一つの工程を楽しんで制作してくださいました。
完成おめでとうございます!
次回はダービーシューズ+ヒールの靴に挑戦予定です。