艶ピカのダービーハイヒール
2021/12/21

シンプルに見えていろいろ凝っています。
まずは羽の形。甲のパーツと一体的になっています。足の形を考慮してスエード部分の切り返しのカーブのラインを決めました。靴紐に近い羽根のトップは丸く飛び出させてうさぎの耳のような形にしています。
そこから見えるベロも見る角度によってハートに見えるんです。てなんだかほっこりしますね♪
あと、革を切れ目なく見せたいので切り返しをできるだけ作らないように工夫しています。
今回はイタリアとイギリスのカーフとスエードを使いました。どちらも色が素敵な革です。同じ黒でも革の種類によって随分と雰囲気が違いますね。

カーブがキツかったり、厚みや仕上がりの違う革を組み合わせると(ここだけの話)ミシンの難易度が少し上がります。こちらも難易度高めの一足でしたが上手くまとめてくださいました。
ちなみにミシンのポイントは急に方向を変えない。押さえに対して革を平に送れるようにきちんと持つ(押さえる)です。
こちらの革はちょっと硬めで釣り込みが難しいため、何度か仮釣りをし癖づけを行いました。
この癖づけ、引いた革を押さえつつ叩いて形を作り、指を離さずに釘を打つ。という慣れないと大変な作業です。数回行うのですが、生徒さんにしてみると「折角打った釘を抜いてもう一回同じことをするの???」と感じるかもしれません。
でもここが堪え時です。これをするとつま先のシワも少なく、その後の底つけ作業もしやすくなります。
Mさまも相当頑張っておりました。(お疲れ様でした)
釣り込みが綺麗に収まると、がたつきがない分底も綺麗に仕上がります。
今回は赤の裏地に合わせて赤のソールをつけました。黒の中に赤のラインが良いアクセントとなっております。とても綺麗に仕上がっています。


太めのヒールで安定感抜群ですし、冬に大活躍な一足となりそうです。
完成おめでとうございます!